壁の中、天井裏、床下、機械室、道路の下、私達の仕事のほとんどは、普段目に触れることのない隠れた所に存在します。新しい衛生器具を見て嬉しそうにされるお客様はいても、その裏の『配管』を褒めてくれる方はなかなかいません。人の血管がその体を効率よく周っているのと同じように、いかに効率良い経路を取り、見せずして魅せることができるか、常に考えます。家に帰って蛇口を捻らない日はないことでしょう。当たり前のように出る水、お湯、流される排水、日々の生活になくてはならないものを作るという社会貢献に、私達の技術は生かされます。
屋内消火栓設備、連結送水管設備、屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、不活性ガス消火設備、泡消火設備、粉末消火設備、連結散水設備など、ひとえに消火設備といってもその方式種類はたくさんあります。一点、他と違うのは、作られて撤去解体されるその時まで、一度も使用されないことが望まれるという不憫な設備です。万一火災発生となったその時は、その機能性能を十二分に発揮し、設備としての役目が全うされるよう、私達は持てる技術を注ぎ、皆様の日々の安心へのお手伝いを致します。
天井裏に隙間無く配置された大きな機械やダクトが、スイッチ一つで皆さんに快適な生活空間を提供します。最近ではそのダクトそのものを意匠デザインとして考え、天井を貼らずに露出させるケースが多くなりました。図面を描く者も施工する者も腕の見せ所、隠してこそだった配管を、いかに見せて魅せるか、良い意味で緊張します。大きな施設へお立ち寄りの際、天井を見上げてみて下さい。「自分ならこうするな、ああするな…」施設の天井を見上げてはそんなことばかり考えている者がおります。